瓦屋根工事の種類と注意しておきたいこと

和風建築によく用いられる瓦。厚みと優雅な形状から建物に重厚さを感じさせてくれるすてきな魅力が瓦にはあります。瓦はとても頑丈で耐久性に優れています。

ただし、メンテナンスフリーというわけではあません。現在ではスレート材が多く採用されていますが、まだまだ瓦で葺いている屋根がたくさんあります。今回は瓦屋根の特徴や注意しておきたい症状、瓦屋根工事の種類などをお伝えします。

【瓦屋根の特徴】

瓦屋根には「日本瓦」と「セメント瓦」があります。

「日本瓦」は和瓦、陶器瓦、いぶし瓦など呼び方や種類などがいろいろあり、一番馴染み深いのがこの日本瓦です。

日本瓦には釉薬を塗った「釉薬瓦（陶器瓦）」と釉薬を塗っていない「無釉瓦（いぶし瓦、素焼瓦）」があります。粘土を原料とし、耐久性や断熱性、遮音性に優れています。

耐用年数は50年以上と言われていて、現在使用されている屋根材の中で最も長持ちする屋根材です。しかし、重量があるというのがネックで、地震大国である日本では、瓦屋根は重い屋根に該当するため、耐震性では不利になります。

瓦の中でもう一つあるのが「セメント瓦」です。

セメント瓦は名前のとおりセメントを原料としています。日本瓦よりも重量は軽く、形状が類似しているため、瓦の雰囲気を損ないません。ただし、セメントは水を吸う性質がありますので、定期的に塗り替えが必要です。

【瓦屋根で注意しておきたいこと】

瓦は軒先方向に取り付けられている木桟に引っ掛けて葺いてあるため、風でズレたり、飛ばされたりする被害が起きています。また、頑丈ではありますが、飛来物や何かしらの衝撃で割れてしまうこともあり、定期的に補修工事を行っておく必要があります。

また、瓦の飛散を防ぐために、2022年より瓦屋根は釘またはネジなどで留め付けるように義務化されました。

昔の住宅はケラバの瓦だけが釘留めされていて、平部の桟瓦ところは木桟に引っ掛けているだけで施工されています。日本は毎年台風に見舞われますから、被害が出る前に工事を行なっておくことをおすすめします。

瓦屋根は以下の点で注意するところがありますので、被害が出る前に対策しておきましょう。

【瓦屋根で注意しておくこと】

・瓦の割れ ・瓦のズレ ・漆喰の剥がれ ・棟のズレや破損 ・雨漏り

雨漏りについてはこちらの「屋根の破損や雨漏りを防ぐ！台風に備えて屋根点検をしましょう」をご覧ください。

【瓦屋根はどんな工事が必要？】

瓦屋根の工事は種類があります。瓦屋根工事の種類を表にまとめましたのでご覧ください。

【瓦屋根工事の種類】

・葺き替え工事 ・葺き直し工事 ・漆喰工事 ・棟瓦の積み直し工事 ・瓦の差し替え工事

瓦修理や漆喰工事についてはこちらの「瓦修理・棟取り直しや漆喰工事」をご覧ください。

【葺き替えと葺き直しの違い】

屋根工事は「葺き替え」が一般的ですが、瓦屋根は「葺き直し」も可能です。「葺き替え」と「葺き直し」、名前が似ていてどう違うのか分かりにくいですよね。よく屋根工事で行われる「葺き替え」は元々の屋根を剥がしてから新しい屋根材に葺き替える方法です。

それに代わって「葺き直し」は元々の瓦を再利用して屋根下地やルーフィングを新しくする工事です。再利用の支障がない瓦はそのまま使用しますので、新しく瓦を調達する必要がなく、工事代も葺き替えよりも安くなります。見た目を変えたくない、できるだけ工事代を安くしたい、という方に「葺き直し」はおすすめです。

葺き替え工事についてはこちらの「屋根葺き替え・葺き戻し工事」をご覧ください。

【瓦屋根だとカバー工法はできない

屋根工事で人気のカバー工法は、瓦屋根では施工できません。カバー工法とは元々の屋根の上に新しい屋根材を葺く工法です。瓦だとビスが貫通しないため、上から屋根材を葺くことはできません。

また、屋根重量が重くなるため、元々重量のある瓦には適していません。カバー工法で行われるのはスレートやアスファルトシングル、金属屋根などです。

カバー工法についてはこちらの「屋根カバー工法（重ね葺き）」をご覧ください。

【軽量な屋根材に葺き替えれば耐震性が向上！】

瓦屋根は重量があることがネックで、1㎡あたり約60kg（土葺きの場合）もあります。他の屋根材はスレートで約20kg/㎡、金属屋根は約5kg/㎡とかなりの差があります。

屋根が軽くなることで建物の重心が下がり耐震性を向上させることができますので、地震に備えて安全なお住まいになるように軽量な屋根材に葺き替えるのもご検討してみてください。

【10年を目安に屋根点検の実施をおすすめします！】

屋根は私たちの生活を守る大事な構造体です。これからも長く住み続けていくためには、屋根のメンテナンスが不可欠ですから、状態には注意して適切なタイミングで工事を行なってください。

屋根は下からでは状態を見ることができませんから、ダメージを負っているのを見逃してしまわないように定期的に屋根点検の実施をおすすめします。

当社は無料で屋根点検を実施しております。診断後は屋根がどうなっているかご説明し、必要な工事についてご提案させていただきます。屋根のことで気になることや困っていることがございましたら、ぜひ当社の無料診断をご利用ください！

無料診断についてはこちらの「屋根の無料診断・無料見積もり」をご覧ください。

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